
2009年5月23日 放送分
書き写しの効能
教育業界では視写(ししゃ)という専門用語に近い言葉をよく使います。書き写しという意味なのですが、時間がかかるという理由で最近では授業に取り入れているところは少ないようです。しかし、視写にはとても重要な意味が含まれているので、今の子どもたちにも、ぜひ取り組んでもらいたい学習だと思います。
小学校の低学年では書き方を学習します。文章を書くとき、まずは誰でも読めるきれいな字で書くということが大切になります。また、皆さんあまり意識していないと思うのですが、ある一定の速さで書くという技術も身に付けているのです。
早くきれいに書くということは、先生が黒板に書くスピードについていくことが出来るということで、それは授業のスピードについていけるということに繋がるのです。
逆に、ついていけない子どもは、必死に書き写しながら、同時に先生の話も聴かなければなりません。そうすると混乱して、授業全体についていけなくなってしまうのです。そうならないように、視写の学習を通して、一定の速さで書く技術を身につけるということが重要になってくるのです。
視写は、小学校の中学年ぐらいまでは授業についていくために必要な「書く早さ」を身につけることが大きな目的になりますが、高学年くらいになるとその能力が作文に活かされてきます。私が視写の指導をしていたころは、新聞のコラム欄をネタにしていました。新聞だから割と高度な言葉が出てくるので、解らないときは辞書を引く習慣を身に付けられます。しかもコラムには非常に重要な情報が書いてあり、社会性のある時事問題に目を向けるきっかけにもなるでしょう。
視写を通して習っていない漢字に触れ、何度も繰り返し書くことで憶えていきます。しっかり文字を書くということは学力が向上する大きなポイントにもなるので、ぜひ挑戦してみてください。