
2009年6月6日 放送分
ゆっくり少しずつより、粗くてもまとめて、何度も繰り返したほうが良い
多くの方が、ゆっくり少しずつ考えた方が賢くなるイメージを持っていると思います。私も以前は、ゆっくり丁寧に教えていましたが、実際の成績はなかなか伸びませんでした。ある日、一気に授業を進めたことがあり、解っていない子にはあまり構わないという、良くない対応を取ってしまったことがあります。ところが、その後にもう一度同じ部分を繰り返し学習すると、勉強が苦手な子どもでも、前回習った内容は頭に残っているので理解しやすいということが分かったのです。
1回の授業を最初から丁寧にやるよりは、粗くても2回、3回と繰り返した方が効果的ということがわかりました。そのためには、繰り返す学習の内容をシンプルにする必要があり、多少つまづく子どもがいたとしても構わずに進まなくてはいけません。つまり「単純にして粗くて早い」授業です。一見すると教師としてあるまじき考え方のようにも思えるのですが、実際に行うと子どもたちの知識の定着が良くなっていったのです。
例えば、算数では「計算」や「文章題」といった色々な種類の問題を出すのではなくて、「文章題」なら「文章題」だけ、1つのパターンを何題も続けて解かせるように単純化すると良いでしょう。そうすることで、1問目で説いた方法が2問目で役に立ち、2問目を解いたコツを3問目に活かす、という流れが作り出せるのです。
この宿題の答え合わせをして解らない部分を確認した後、しばらくしてからもう一度繰り返すと、イメージとして思い出すことができます。思い出すという感覚と、解るという感覚は非常に似ているといわれており、「ハッ」と気づくことが、子どもたちのやる気を刺激し、あるいはもっと高度な問題に挑戦しようという意欲にもつながるのです。また、全体を通して判明した弱点を、重点的に繰り返し学習させることで、子どもの学力は向上していくと思います。