
2009年6月13日 放送分
新聞の使い方について
社会科は、世界情勢の影響で教える内容が変わりやすい科目であり、授業を進めるときに困ることがあります。そこで、私が考えたのは新聞を使った授業です。社会で起きている出来事は、時の流れによって変化する、ある種の生鮮食品のようなものなので、その時々の情勢を題材に授業を進めました。
一番印象に残っているのは湾岸戦争です。それまで社会科の授業の中で戦争を扱うとなると、太平洋戦争が多かったのですが、テレビやラジオでリアルな戦争報道を見るうちに、授業で扱うべき内容ではないかと思ったのです。それからは、毎日教室に新聞を持っていき、1日10分程度ですが世の中で起きていることを説明するようにしました。
中近東地域の事情は本を読んだだけでは分かりづらいと思います。馴染みの薄い国名や、地理がどのように入り組んでいるのかなど、きちんと理解できるまで教えてきました。日本は石油に依存している国であり、産油地域の状態が生活に直結しているということからも、今勉強しておくことが子どもたちの将来にとってプラスになると思ったのです。
当時は、このような中近東地域のほかに、世の中の出来事を新聞を読みながら自分で考えるという授業をしました。1日5分~10分でも毎日続けることで、子どもたちは少しずつ理解していきます。例えば、私が世界情勢の流れを予想して、それが外れたとき、子どもたちは「先生でも間違えるんだ。それくらい世の中の動きというのは分かりにくいものなんだ」という感覚を、新聞を読むことで身に付けられるのです。
新聞を読むとき、難しい漢字が出てくると理解できないことがありますが、専門用語が多く、漢字自体の数も限られているので、きちんと解説するとわかってくれます。また、家に持ち帰ってご両親に質問してもいいと思います。
他にも、数種類の新聞を読んで論調の違いを比べてみたり、小さな囲み記事の中から面白い記事を見つけるということを通して、新聞を読む楽しさを伝えていけば、子どもたちは時代感覚を身につけられるでしょう。