陰山英男のヒューマンラボ 子どもたちの学力向上に尽力している陰山英男先生が、子どもの教育、日本の将来について語るTOKYO FM「陰山英男のヒューマン・ラボ」。ここではダイジェストをお送りいたします。

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私が新任で入った小学校の校長先生の著書に「叱られる権利」という本がありました。当時の私は、この本の内容についてあまり実感が湧かなかったのですが、経験を積んでいくうちに「あ、なるほどな」と分かるようになってきました。

一番そのことを強く感じたのが、ある中学校で行なった「早寝早起き朝ご飯」と「読み書き計算」の講演でした。「百ます計算」などを推奨することが目的の講演会だったのですが、中学生の生活習慣に触れるという機会があまりなかった私は、彼らがどういう生活をしているのか知りたくて「昨日何時に寝たか」を質問してみました。10時から1時間刻みで尋ねていきましたが、驚いたことに、10時では手はまったく上がらず、11時でも少数しか上がりませんでした。手が上がり始めたのは12時からで、一番多かったのは1時でした。まさかと思い「2時」と尋ねると、かなりの手が上がりました。さすがに、もういないだろうと思い「3時」と尋ねると「はーい」と手が上がったのです。これは良くないと思った私は、実証されたデータを例に出して、夜更かしがいかに脳に悪影響を与えるか、また早く寝るとどのような良い影響があるかを具体的に子どもたちに説明したのです。

子どもというのは、夜更かしは悪いということは分かっています。しかし、生活習慣を変えたからといってどのような良いことが起こるか分からないため、変えるきっかけを掴めないのです。大人が、なぜ悪いのかきちんと理由を示して、はっきりと子どもに伝えることで、子どもは悪いと自覚していることを自ら変えることができるのです。

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プロフィール

陰山英男(かげやま ひでお)

1958年、兵庫県出身。
89年に兵庫県朝来郡朝来町立山口小学校に赴任。「読み・書き・計算」の徹底した反復学習、「早寝早起き朝ご飯」を二本柱に、基礎学力の向上を図る「陰山メソッド」を確立。同校出身者の国公立大学進学率が類を見ない高さだったため、教育実践がメディアで紹介されるようになる。

2003年、全国公募により、広島県尾道市立土堂小学校校長に就任。06年4月より、立命館小学校副校長・立命館大学教育開発支援センター教授を務める。

小学館の通信添削学習『ドラゼミ』総監修者。著作・共著多数。文部科学省・中央教育審議会教育課程部会委員/安倍前首相の諮問機関「教育再生会議」有識者委員/大阪府教育委員会教育委員

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