
2009年9月5日 放送分
子どもは叱られたがっている
私が新任で入った小学校の校長先生の著書に「叱られる権利」という本がありました。当時の私は、この本の内容についてあまり実感が湧かなかったのですが、経験を積んでいくうちに「あ、なるほどな」と分かるようになってきました。
一番そのことを強く感じたのが、ある中学校で行なった「早寝早起き朝ご飯」と「読み書き計算」の講演でした。「百ます計算」などを推奨することが目的の講演会だったのですが、中学生の生活習慣に触れるという機会があまりなかった私は、彼らがどういう生活をしているのか知りたくて「昨日何時に寝たか」を質問してみました。10時から1時間刻みで尋ねていきましたが、驚いたことに、10時では手はまったく上がらず、11時でも少数しか上がりませんでした。手が上がり始めたのは12時からで、一番多かったのは1時でした。まさかと思い「2時」と尋ねると、かなりの手が上がりました。さすがに、もういないだろうと思い「3時」と尋ねると「はーい」と手が上がったのです。これは良くないと思った私は、実証されたデータを例に出して、夜更かしがいかに脳に悪影響を与えるか、また早く寝るとどのような良い影響があるかを具体的に子どもたちに説明したのです。
子どもというのは、夜更かしは悪いということは分かっています。しかし、生活習慣を変えたからといってどのような良いことが起こるか分からないため、変えるきっかけを掴めないのです。大人が、なぜ悪いのかきちんと理由を示して、はっきりと子どもに伝えることで、子どもは悪いと自覚していることを自ら変えることができるのです。