陰山英男のヒューマンラボ 子どもたちの学力向上に尽力している陰山英男先生が、子どもの教育、日本の将来について語るTOKYO FM「陰山英男のヒューマン・ラボ」。ここではダイジェストをお送りいたします。

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子どもたちの友達をめぐる環境は、昔に比べてとても大きく変わりました。決定的に違うのは色々な人たちと繋がることができる携帯電話の存在です。新しく知り合った子ども同士が「メルアド教えて」などとやり取りをしている光景を見聞きするにあたり、私は子どもたちの人間関係は携帯電話によって広がったと思いました。

ところが、調べてみると逆に、狭い人間関係へと濃縮化していることが分かりました。例えば、メールを受けてから数分以内に返信をしないとトラブルの元になることがあるなど、個別に関係を縛られるようになり、友達が固定化されるようになりました。さらに、小学校、中学校、高校、大学と進学に合わせて友達関係も変化するのが普通ですが、携帯電話には昔からの友達のメールアドレスが残っており、その関係を大切にしすぎるあまり、新しい友達関係へと広がりにくい場合があります。

また、大人との関係も、子どもたちの心の有り様に大きく関わっています。最近の子どもたちは「規範意識がない」などと言われますが、私はそのようには思いません。大人の方に思い返して欲しいのですが、自身が子どもだった頃には色々ないたずらや、悪さをしたことがあるのではないでしょうか。比べて、今の子どもたちの多くはきちんとルールを守っていると思います。それにも関わらず大人は「今の子どもたちは規範意識がない」と言い、少しでも問題があると騒ぎ立てる傾向があります。問題なのは、このような社会環境では、子どもたちは常に周囲の目を気にしながら生活しなければならないということです。大人との関係に緊張を強いられ、良い子でいることを強制される窮屈な環境は、子どもの教育上の観点からも良くないと思います。

子どもたちの本来の姿は、もっと伸びやかで、失敗が許される存在のはずです。大人が抑圧するのではなく、子ども自身が、叱られて反省したり、迷惑をかけて後悔したことなどを身を持って経験し、学習していくべきでしょう。

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プロフィール

陰山英男(かげやま ひでお)

1958年、兵庫県出身。
89年に兵庫県朝来郡朝来町立山口小学校に赴任。「読み・書き・計算」の徹底した反復学習、「早寝早起き朝ご飯」を二本柱に、基礎学力の向上を図る「陰山メソッド」を確立。同校出身者の国公立大学進学率が類を見ない高さだったため、教育実践がメディアで紹介されるようになる。

2003年、全国公募により、広島県尾道市立土堂小学校校長に就任。06年4月より、立命館小学校副校長・立命館大学教育開発支援センター教授を務める。

小学館の通信添削学習『ドラゼミ』総監修者。著作・共著多数。文部科学省・中央教育審議会教育課程部会委員/安倍前首相の諮問機関「教育再生会議」有識者委員/大阪府教育委員会教育委員

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