
2009年10月17日 放送分
今どきの子どもの友達関係
子どもたちの友達をめぐる環境は、昔に比べてとても大きく変わりました。決定的に違うのは色々な人たちと繋がることができる携帯電話の存在です。新しく知り合った子ども同士が「メルアド教えて」などとやり取りをしている光景を見聞きするにあたり、私は子どもたちの人間関係は携帯電話によって広がったと思いました。
ところが、調べてみると逆に、狭い人間関係へと濃縮化していることが分かりました。例えば、メールを受けてから数分以内に返信をしないとトラブルの元になることがあるなど、個別に関係を縛られるようになり、友達が固定化されるようになりました。さらに、小学校、中学校、高校、大学と進学に合わせて友達関係も変化するのが普通ですが、携帯電話には昔からの友達のメールアドレスが残っており、その関係を大切にしすぎるあまり、新しい友達関係へと広がりにくい場合があります。
また、大人との関係も、子どもたちの心の有り様に大きく関わっています。最近の子どもたちは「規範意識がない」などと言われますが、私はそのようには思いません。大人の方に思い返して欲しいのですが、自身が子どもだった頃には色々ないたずらや、悪さをしたことがあるのではないでしょうか。比べて、今の子どもたちの多くはきちんとルールを守っていると思います。それにも関わらず大人は「今の子どもたちは規範意識がない」と言い、少しでも問題があると騒ぎ立てる傾向があります。問題なのは、このような社会環境では、子どもたちは常に周囲の目を気にしながら生活しなければならないということです。大人との関係に緊張を強いられ、良い子でいることを強制される窮屈な環境は、子どもの教育上の観点からも良くないと思います。
子どもたちの本来の姿は、もっと伸びやかで、失敗が許される存在のはずです。大人が抑圧するのではなく、子ども自身が、叱られて反省したり、迷惑をかけて後悔したことなどを身を持って経験し、学習していくべきでしょう。