陰山英男のヒューマンラボ 子どもたちの学力向上に尽力している陰山英男先生が、子どもの教育、日本の将来について語るTOKYO FM「陰山英男のヒューマン・ラボ」。ここではダイジェストをお送りいたします。

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近年、若者の海外離れが進んでいます。このことはデータにも表れており、アメリカにおけるアジア人留学生の数は、10数年前は日本は1位でしたが、現在は4位と順位を落としています。かつては4万5,000人くらいいた留学生の数が現在は3万人強と、1万人以上も減っており、驚くほど市場が縮小しています。

また、青年海外協力隊への希望者数も減少し、最盛期の4分の1程度の時もあるようです。しかし、希望者数が減り合格しやすい条件になったにも関わらず「元気がないために海外の生活に耐えられないだろう」と判断され、不合格になるケースも多いと聞きます。意欲的に応募してきた若者ですらこのように見なされるわけですから、その他の若者たちの多くはより活力に乏しく、進んで事に当たろうとする意気込みに欠けていると容易に想像できます。さらに海外どころか、昨今の大学生は一人暮らしすら嫌がり、下宿をしなくてもすむように自宅から通える範囲で学校を選ぶことも多いようです。

このような事例や、パラサイトシングル、引きこもりなどの近年の現象から、非常に内向きになってきた若者像をうかがい知ることが出来ます。

私は、冒険せずに厳しさを避けようとする近年の子どもたちが、社会に出て壁にぶつかった時、耐えられるか心配でなりません。実社会は学生時代より厳しく、叱られたり、注意されたりしながら一人前になっていくのが当たり前です。落ち込むことも多く、困難や試練の連続といえるでしょう。

本来教育は、良い大学に入れることではなく、社会で役に立つ人間へ育てることが最終目標です。このことを肝に銘じ、子どもを自立させるプロセスを家庭でもきちんと考え、社会へ巣立つ準備をしていく必要があると思います。

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プロフィール

陰山英男(かげやま ひでお)

1958年、兵庫県出身。
89年に兵庫県朝来郡朝来町立山口小学校に赴任。「読み・書き・計算」の徹底した反復学習、「早寝早起き朝ご飯」を二本柱に、基礎学力の向上を図る「陰山メソッド」を確立。同校出身者の国公立大学進学率が類を見ない高さだったため、教育実践がメディアで紹介されるようになる。

2003年、全国公募により、広島県尾道市立土堂小学校校長に就任。06年4月より、立命館小学校副校長・立命館大学教育開発支援センター教授を務める。

小学館の通信添削学習『ドラゼミ』総監修者。著作・共著多数。文部科学省・中央教育審議会教育課程部会委員/安倍前首相の諮問機関「教育再生会議」有識者委員/大阪府教育委員会教育委員

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