陰山英男のヒューマンラボ 子どもたちの学力向上に尽力している陰山英男先生が、子どもの教育、日本の将来について語るTOKYO FM「陰山英男のヒューマン・ラボ」。ここではダイジェストをお送りいたします。

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子どもの自立と言えば、高校を卒業する18歳、成人式を迎える20歳、大学を卒業する22歳と考え方もいろいろあると思いますが、思春期が始まる年代も自立の第一歩と言えるでしょう。

小学3年生から5年生、本格的には4年生後半から5年生くらいにかけて精神的な自立が始まることが多く、出会う人やモノによって成長に大きく影響を与えます。例えば偉人の伝記を読んだり、憧れの人に会ったりすれば良い影響を得られることがあります。一方で悪い影響を得る可能性があることも認識しておいて下さい。

実は、中学生になって非行に走る子どもは、思春期が始まる年代に、芽となる小さな問題行動を起こしていることが多いのです。しかも、幼い頃というのは大胆なことはしないので、見つかったとしても大して怒られない場合があります。すると反省のないまま成長してしまうことになるのです。

親が子どもを正しい方向へ導いてあげることはとても大切ですが、教育の面で深く関われるのは「九九」を覚える小学2年生くらいまでだと思います。「九九」を覚えると小学生として一人前になったと思う親御さんも多いようです。事実、3年生くらいまでは「九九」さえ覚えていたら授業に付いていくことはできるでしょう。

しかし4年生になると「筆算」などが出てくるので、単に「九九」を覚えていればよい、ということではなくなります。「二桁同士のかけ算」や「割算の筆算」などの難解な問題を解くためには粘り強く取り組む必要があるのですが、そこでくじけてしまうとコンプレックスが生まれてしまうのです。その心の隙間に良からぬ誘惑が入り込むと悪い方向に流されてしまう場合があります。

また、携帯電話などが普及したこともあり、昔に比べて非常に多くの悪い情報を受けやすい世の中になりました。気付いた時には驚くほどの影響を子どもが受けているケースも少なくありません。

これらの対応策としては、やはり子どもの行動を良く見ておくことが第一です。幼いころから勉強部屋を与えて放っておくのではなく、なるべく側に居て、注意して見てあげる必要があると思います。

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プロフィール

陰山英男(かげやま ひでお)

1958年、兵庫県出身。
89年に兵庫県朝来郡朝来町立山口小学校に赴任。「読み・書き・計算」の徹底した反復学習、「早寝早起き朝ご飯」を二本柱に、基礎学力の向上を図る「陰山メソッド」を確立。同校出身者の国公立大学進学率が類を見ない高さだったため、教育実践がメディアで紹介されるようになる。

2003年、全国公募により、広島県尾道市立土堂小学校校長に就任。06年4月より、立命館小学校副校長・立命館大学教育開発支援センター教授を務める。

小学館の通信添削学習『ドラゼミ』総監修者。著作・共著多数。文部科学省・中央教育審議会教育課程部会委員/安倍前首相の諮問機関「教育再生会議」有識者委員/大阪府教育委員会教育委員

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